COLUMN · 2026.10.05

傷病手当金が終わったら障害年金へ|1年6か月後に収入を途切れさせない準備

病気やけがで仕事を休み、傷病手当金を受けている方から「1年6か月で傷病手当金が終わったら、その後の生活はどうなるのか」というご相談を多くいただきます。まだ働ける状態に戻っていない場合、次の生活の支えとして検討したいのが障害年金です。

この記事では、傷病手当金から障害年金へ切り替えるときの流れと、収入が途切れないように準備を始める時期を整理します。

1. 傷病手当金の終わりと「障害認定日」は近い時期に来ます

傷病手当金は、支給を始めた日から通算1年6か月まで受けられます。一方、障害年金の障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を過ぎた日です。

傷病手当金障害年金
数え始め支給開始日(休み始めて4日目以降)初診日
1年6か月後支給が終わる障害認定日(請求できるようになる)

数え始めの日が違うためぴったり同じにはなりませんが、初めて受診してから間もなく休職した方は、傷病手当金が終わる頃に障害年金を請求できる時期を迎えることが多くなります。この重なりを知っておくと、収入の空白を小さくする準備ができます。

なお、人工関節を入れた場合など、1年6か月より前に障害認定日となる特例もあります。

2. 2つの制度の違い

傷病手当金障害年金
制度健康保険(協会けんぽ・健康保険組合など)国民年金・厚生年金
対象仕事ができない(労務不能)状態障害等級に該当する状態
期間通算1年6か月まで等級に該当する限り続く(更新あり)
金額の目安給与(標準報酬)の約3分の2等級・加入していた制度で決まる

国民健康保険には、原則として傷病手当金がありません。一方、障害年金は国民年金に加入していた方も対象です。金額の目安は障害年金はいくらもらえる?で解説しています。

3. 障害年金で確認する3つの要件

  • 初診日:その病気で初めて医師の診察を受けた日です。初診日に会社員などで厚生年金に入っていれば、3級まである障害厚生年金の対象になります。
  • 保険料の納付要件:初診日の前日の時点で、一定以上の保険料を納めている(または免除を受けている)必要があります。
  • 障害の状態:障害認定日、または請求する時点で、障害等級に該当する状態であることが必要です。

詳しくは障害基礎年金と障害厚生年金の違い、保険料納付要件をご覧ください。

4. 「認定日請求」のチャンスを逃さないことが大切です

障害認定日から3か月以内の状態を書いた診断書があれば、障害認定日にさかのぼって請求できます(認定日請求)。請求が遅れても、最大5年分までさかのぼって受け取れます。

休職中に通院を続けている方は、ちょうど障害認定日の頃にも受診していることが多いはずです。その時期の診断書を、時間がたつ前に取っておくことが、後から取り戻しにくいポイントです。詳しくはさかのぼり請求(遡及請求)で解説しています。

5. 終わる6か月前から始める準備スケジュール

障害年金は、請求してから結果が出るまで通常3か月以上かかります。傷病手当金の終了予定日から逆算して、次のように進めると収入の空白を小さくできます。

時期の目安やること
終了の6か月前初診の医療機関を確認する/ねんきんネットなどで保険料の納付記録を確認する
5か月前初診の医療機関に受診状況等証明書を依頼する/障害認定日の頃に受診した医療機関を確認する
4か月前診断書を医師に依頼する/病歴・就労状況等申立書を作る
3か月前まで年金事務所などへ請求書類を提出する

すでに終了まで3か月を切っている方や、終わってしまった方も、できるだけ早く請求の準備を始めましょう。退職と申請の順番で迷っている方は障害年金 申請のベストタイミング|退職前・退職後の判断もあわせてご覧ください。

6. 両方を受け取れる期間は「調整」に注意

同じ病気で障害厚生年金を受けられるようになると、傷病手当金は原則として支給されなくなります。ただし、年金の日額が傷病手当金の日額より少ない場合は、その差額が傷病手当金として支給されます。障害基礎年金だけを受ける場合は、この調整はありません。

障害年金がさかのぼって決まると、重なった期間の傷病手当金の返還を求められることがあります。しくみと計算例は傷病手当金と障害年金は両方もらえる?で詳しく解説しています。

7. 休職中の方は、今のうちにできることがあります

傷病手当金を受けている間は、通院の記録が積み重なり、障害年金の準備がしやすい時期でもあります。通院の続け方や記録の残し方は休職中の方が障害年金のために今やっておきたい5つの準備にまとめています。

8. 傷病手当金の申請サポートと料金

当事務所では、傷病手当金の申請書の作成、会社への事業主証明の依頼、健康保険への提出までお手伝いします。休職中で手続きに手が回らない方も、障害年金への切り替えを見据えて、早い段階からご相談いただけます。

ご依頼の内容初回の申請2回目以降の申請(1回ごと)
障害年金の請求とあわせてご依頼無料8,000円
傷病手当金の申請のみご依頼30,000円8,000円
  • 表示の金額はいずれも税別です。
  • 医療機関の文書料などの実費は別途必要です。
  • 会社に事業主証明を断られている、解雇をめぐって争っているなど、事情が込み入っている場合は、事前にお見積りをお伝えします。

よくある質問

Q. 傷病手当金の申請だけを頼むことはできますか?
できます。初回の申請は30,000円、2回目以降は1回8,000円(いずれも税別)です。障害年金の請求とあわせてご依頼いただく場合、初回の申請は無料です。
Q. 傷病手当金を受けている間に、障害年金を申請してもよいですか?
申請できます。障害認定日を過ぎていれば、傷病手当金の受給中でも請求できます。同じ病気で障害厚生年金が決まると傷病手当金は調整されますが、傷病手当金が終わった後の収入につながるため、早めの準備をおすすめします。
Q. 傷病手当金が終わってしまいました。今からでも間に合いますか?
間に合います。障害年金は障害認定日にさかのぼって請求でき、最大5年分までさかのぼって受け取れます。ただし障害認定日の頃の診断書が取れるかで受け取れる範囲が変わるため、早めにご相談ください。
Q. 国民健康保険に入っていて傷病手当金がありません。障害年金は使えますか?
障害年金は国民年金に加入していた方も対象です。初診日に国民年金に加入していた場合は、障害基礎年金(1級・2級)の対象になります。

FREE CONSULTATION

傷病手当金が終わる前に、障害年金の準備を始めませんか

初診日、保険料の納付状況、傷病手当金の終了予定日、障害認定日の診断書が取れるかを一緒に確認します。傷病手当金の申請書類についてもご相談いただけます。


※本記事は2026年10月時点の制度に基づく一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。個別の申請可否・受給可能性は個別事情により異なります。

執筆:東亮介(社会保険労務士/社労士登録番号 第27130052号)

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