COLUMN · 2026.07.16

【当事者社労士が解説】ASD(自閉スペクトラム症)で障害年金は受給できる?

ASD(自閉スペクトラム症)は、対人コミュニケーションの難しさや、強いこだわり・感覚の過敏さなどを特徴とする発達障害です。大人になってから診断される方も増えており、「働き続けるのがつらい」「生活の支えを知りたい」というご相談を多くいただきます。

私自身、ADHDの診断を受けた当事者の社会保険労務士です。ここではASDで障害年金を検討するときの要点を整理します。受給の可否は個別事情により異なり、結果を保証するものではありません。一般的な考え方としてお読みください。

1. ASD(自閉スペクトラム症)も障害年金の対象です

ASDは発達障害として障害年金の認定対象に含まれます。知的障害を伴う場合は認定されやすい傾向がありますが、知的な遅れがなくても、日常生活や社会生活に著しい制限がある場合は受給できる可能性があります。認定基準や等級・受給額の目安は、疾患別の総合ページにまとめています。

2. 「コミュニケーションの困難」をどう伝えるか

ASDの中心的な特性である対人コミュニケーションの困難は、短い診察のなかでは医師に伝わりきらないことがあります。「あいまいな指示が理解できない」「相手の意図や表情が読み取れず誤解が生じる」「電話や雑談が大きな負担になる」といった具体的な場面を挙げることが大切です。単に「コミュニケーションが苦手」ではなく、それによって仕事や生活にどんな支障が出ているかまで伝えると、実態が正確に評価されやすくなります。

3. 感覚過敏・こだわり・変化への弱さは「生活の制限」です

光や音への感覚過敏、予定変更への強い不安、特定の手順へのこだわりなども、審査で重要な情報になります。これらは一見「本人の性格」と受け取られがちですが、実際には日常生活を大きく制限している要素です。「音や光で外出が困難」「予定が変わるとパニックになり動けなくなる」など、生活への影響として具体的に記録しておくとよいでしょう。

4. 二次障害(うつ・不安)がある場合の考え方

ASDの方は、環境との摩擦からうつ病や不安障害などの二次障害を併発することが少なくありません。この場合、どの傷病でいつ初めて受診したか(初診日)の整理が特に重要になります。二次的な症状で先に受診していたケースでは、初診日や加入していた年金制度の判断に影響することがあるため、受診歴を時系列で整理して確認することをおすすめします。大人になって診断された方向けの初診日の考え方は、こちらでも解説しています。

5. 一人で抱えず、当事者目線の専門家へ

ASDの申請は、特性の言語化や初診日の整理など、ご自身だけで進めるには負担が大きい部分があります。当事務所は代表自身がADHDの当事者です。「自分の状態をどう説明すればいいか分からない」「他で断られた」という方こそ、当事者目線の経験がお役に立てる場面だと考えています。診断書や医師への伝え方の具体的なコツは、こちらもあわせてご覧ください。

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※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。個別の申請可否・受給可能性は個別事情により異なります。

執筆:東亮介(社会保険労務士/社労士登録番号 第27130052号)

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