【当事者社労士が解説】発達障害の障害年金|診断書と「症状の伝え方」
発達障害(ADHD・ASD)の障害年金では、医師が書く精神の障害用の診断書と、ご本人が書く病歴・就労状況等申立書の内容が審査で大きな比重を占めます。この記事では、症状を正しく伝えるための考え方を、当事者の視点も交えて整理します。
私自身、ADHDの診断を受けた当事者の社会保険労務士です。なお、記載内容は一般的な解説であり、結果を保証するものではありません。
1. 発達障害の審査は診断書と申立書の「両輪」です
診断書は医師の医学的な評価、申立書は生まれてから現在までの経過や生活・就労の実態を伝える書類です。この二つの内容に食い違いがあると、実際の状態が正しく伝わりにくくなります。両方が同じ方向を向いて、生活のしづらさを一貫して示していることが理想です。
2. 短い診察で症状が伝わらない理由
発達障害の特性は、限られた診察時間では医師に十分に伝わらないことがあります。診察室では緊張して「大丈夫です」と答えてしまったり、調子の良い一面だけが伝わってしまうこともあります。その結果、実際の困難さより軽く評価されてしまうことは珍しくありません。診察の場だけに任せず、日常の困りごとを整理して伝える工夫が必要です。
3. 医師に伝えるべき「日常生活の具体的な場面」
抽象的な訴えではなく、具体的な生活場面を伝えると、医師も診断書に反映しやすくなります。たとえば次のような点です。
- 身支度・食事・服薬などを一人でどこまで続けられているか
- 金銭管理や書類の手続きでどんな失敗が起きているか
- 対人関係や職場でのトラブル、その頻度
- 「できる日」と「できない日」の波、周囲の助けの有無
あらかじめメモにまとめて受診時に渡すと、伝え漏れを防げます。
4. 病歴・就労状況等申立書で診断書を補う
申立書は、診断書だけでは表しきれない生活の実態を補う大切な書類です。時系列に沿って、いつ・どんな困難があり・どのように対処してきたかを具体的に書きます。「普通にできている」と書きすぎると制限が伝わらず、逆に事実と異なる誇張も避けなければなりません。ありのままの生活を、具体的な事実として記すことが基本です。診断書全般の考え方は、こちらのガイドも参考になります。
5. 書けない・伝えられないときは当事者目線でサポートします
「症状を言葉にするのが難しい」「書類の作成そのものが大きな負担」――これは発達障害の特性上、当事者として痛いほど分かります。当事務所は代表自身がADHDの当事者です。症状の伝え方を一緒に整理し、認定に届く言葉に翻訳するお手伝いをします。まずはお気軽にご相談ください。
※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。個別の申請可否・受給可能性は個別事情により異なります。
執筆:東亮介(社会保険労務士/社労士登録番号 第27130052号)