障害年金制度の「治った」とは|症状固定・障害認定日・障害手当金
障害年金の手続きで「治った」と言われても、症状がすべてなくなったという意味とは限りません。治療による改善が期待できず、症状が固定した状態も含むためです。「症状固定」と言われたことだけで、障害年金を諦める必要はありません。
1. 制度上の治癒と、症状がなくなることは同じではない
障害年金では、傷病が治った日や症状が固定した日が、障害の状態を判断する時点に関わることがあります。症状が残っていても、治療の効果が期待できない状態として扱われる場合があります。医師の説明、診断書の現症日、年金制度上の認定日を分けて確認してください。
2. 障害認定日は原則として初診日から1年6か月後
原則は初診日から1年6か月を経過した日です。それより前に傷病が治った場合は、その日が障害認定日になります。人工透析、人工関節、切断、人工肛門などには、それぞれの認定上の取り扱いがあります。すべてを手術日・装着日へ一律に置き換えず、障害年金をいつから受け取れるかで該当する条件を確認しましょう。
3. 障害手当金は、厚生年金の一時金
厚生年金加入中に初診日のある病気やけがが初診日から5年以内に治り、障害厚生年金3級よりも軽い一定の障害が残ったときは、障害手当金の対象となる場合があります。年金のような継続給付ではなく一時金で、保険料納付要件等の確認も必要です。単に3級に該当しない人が全員受け取れるものではありません。
労災など他の給付との関係、すでに受けている年金、治った日と障害の状態によって確認事項が変わります。書類を揃える前に、年金事務所や専門家へご相談ください。
4. 症状固定と、更新での支給停止は別の判断
症状が固定したから障害年金が自動的に止まる、という関係ではありません。更新時は、その時点の障害の程度が認定基準に該当するかを確認します。支給停止や等級変更の通知が届いたら、通知書の理由と現在の状態を分けて整理してください。
支給停止後に障害の程度が再び該当するようになった場合は、支給停止事由消滅届等の手続きを確認します。受給中に障害が重くなった場合の額改定請求とは手続きが異なります。不支給・更新停止後の相談では、期限のある不服申立てと、その後の状態に基づく手続きを整理します。
5. 医師の説明と通知書を、次の手続きにつなげる
初診日、治療の経過、医師から症状固定と言われた時期、現在の生活・仕事への影響を整理してご相談ください。「治った」という言葉だけで判断せず、残っている障害と請求の条件を確認することが、申請の時期や方法を見落とさないために大切です。
参考:日本年金機構の障害認定日、障害手当金、障害の程度が変わったとき
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※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。個別の申請可否・受給可能性は個別事情により異なります。
執筆:東亮介(社会保険労務士/社労士登録番号 第27130052号)