【専門社労士が解説】潰瘍性大腸炎・クローン病で障害年金は受給できる?
潰瘍性大腸炎やクローン病(あわせて炎症性腸疾患・IBDと呼ばれます)は、腹痛・下痢・出血・強い倦怠感などが続き、寛解と再燃を繰り返す難病です。就労や日常生活が大きく制限されることも多く、「障害年金の対象になるのか」というご相談を数多くいただきます。
この記事では、IBDで障害年金を検討するときの要点を整理します。受給の可否は個別の事情によって異なり、結果を保証するものではありません。一般的な考え方としてお読みください。
1. 潰瘍性大腸炎・クローン病も障害年金の対象になり得ます
IBDは指定難病であり、症状によっては障害年金の対象になり得ます。障害の程度は、消化・吸収の障害による低栄養状態、体重減少、貧血、繰り返す症状による全身状態の低下、日常生活・就労の制限などから総合的に判断されます。検査数値だけでなく、生活にどれだけ支障が出ているかが重視される点が特徴です。
2. 「寛解と再燃を繰り返す」ことをどう伝えるか
IBDで難しいのは、調子の良い時期(寛解)と悪い時期(再燃)の波があることです。受診や診断書作成のタイミングが寛解期に重なると、実際の生活のつらさより軽く評価されてしまうことがあります。大切なのは、再燃時にどれほど動けなくなるか、トイレの回数や外出・通勤の制限、突然の症状への不安など、悪い時期を含めた平均的な状態を具体的な場面で伝えることです。
3. 体重減少・栄養状態・治療の負担は重要な情報です
体重の減少、貧血、低栄養、頻回の通院や入院、生物学的製剤などの治療を続けていること、副作用による負担――これらはいずれも審査で見られる重要な情報です。「治療をしているから大丈夫」ではなく、治療をしてもなお続く制限を、日常生活の場面に落とし込んで示すことがポイントです。
4. 人工肛門(ストーマ)を造設した場合
IBDの経過で人工肛門(ストーマ)を造設した場合は、別の認定の考え方が用いられ、原則として一定の等級に該当し得ます。ただし、加入している年金制度によって受給できる等級・金額が変わる重要な注意点があります。金額や等級の目安は、こちらで詳しく解説しています。
5. 診断書と申立書で「見えない制限」を伝える
IBDは外見からは分かりにくく、痛みや倦怠感、トイレの不安といった見えない制限が生活を大きく左右します。診断書と病歴・就労状況等申立書の両方で、この見えにくいつらさを具体的に伝えることが受給への鍵になります。医師への症状の伝え方や書類作成のポイントは、こちらもご覧ください。
当事務所は、外から見えにくい内部障害・難病の障害年金も数多く扱っています。「働けているように見えて実はつらい」「他で難しいと言われた」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。個別の申請可否・受給可能性は個別事情により異なります。
執筆:東亮介(社会保険労務士/社労士登録番号 第27130052号)