COLUMN · 2026.08.19

20歳前傷病の障害基礎年金と所得制限|10月からの支給停止・再開の仕組み

20歳前に初診日がある傷病による障害基礎年金には、ほかの障害年金と異なり、受給者本人の前年所得による支給制限があります。令和8年度(2026年度)は、扶養親族等がいない場合、所得3,761,000円を超えると2分の1が支給停止、4,794,000円を超えると全額が支給停止となります。本記事では、基準額と判定期間を整理します。

1. 20歳前傷病による障害基礎年金とは

初診日が20歳前の年金制度に加入していない期間にある場合、障害基礎年金の保険料納付要件は問われません。その一方、年金加入を要件としていないことから、本人所得による支給制限、海外居住や刑事施設等への入所による支給制限、労災保険の年金等との調整があります。

所得制限で確認するのは受給者本人の前年所得です。配偶者や親の所得を本人所得に合算して判定する制度ではありません。

2. 令和8年度の所得制限額

扶養親族等がいない場合の基準は、次のとおりです。

  • 前年所得3,761,000円以下:所得制限による停止なし
  • 3,761,001円から4,794,000円:年金額の2分の1を支給停止
  • 4,794,000円を超える:年金額の全額を支給停止

ここでいう基準は「給与の額面」ではなく、制度上の所得額です。障害年金などの非課税所得は所得判定に含まれません。給与以外の所得がある場合や所得額の確認が必要な場合は、市区町村または日本年金機構へ確認してください。

3. 扶養親族等がいる場合の加算

扶養親族等がいる場合は、2つの所得制限額の双方に、対象者1人につき次の額が加算されます。

  • 原則:38万円
  • 老人控除対象配偶者または老人扶養親族:48万円
  • 特定扶養親族または控除対象扶養親族(19歳未満):63万円

扶養親族等の人数や区分によって基準額が変わるため、税務上の申告内容に変更があったときは反映状況も確認します。

4. 支給停止の期間は10月から翌年9月まで

前年所得に基づく支給対象期間は、毎年10月分から翌年9月分までです。たとえば、ある年の所得が基準を超えた場合、その所得を用いる翌年10月分から支給制限が反映されます。

支給額の変更が実際の口座振込に表れる時期は、偶数月に前2か月分を支払う年金の支払サイクルも関係します。通知書に記載された対象月と振込額を分けて確認してください。

5. 所得による停止と障害状態の審査は別

所得制限による支給停止は、所得が基準を超えた期間について支払額を制限する仕組みです。翌年度の判定で所得が基準内になれば、所得制限による支給停止が解除される可能性があります。

ただし、障害状態の再認定やほかの支給停止事由とは別です。所得が下がっただけで必ず年金が再開するとは限らず、障害等級、提出書類、海外居住、他制度との調整などに別の問題がないことも確認します。

6. 通知書が届いたときの確認事項

  • 対象となる年金が「20歳前傷病による障害基礎年金」か
  • 判定に使われた所得年と所得額
  • 扶養親族等の人数と区分
  • 停止が全額か2分の1か
  • 対象期間がいつからいつまでか
  • 所得以外の支給停止事由が記載されていないか

所得額や扶養情報が事実と異なる場合は、市区町村と年金事務所の双方へ確認が必要になることがあります。障害年金の種類や通知書の読み方が分からない場合は、当事務所でも状況を整理してご案内します。

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※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。個別の申請可否・受給可能性は個別事情により異なります。

執筆:東亮介(社会保険労務士/社労士登録番号 第27130052号)

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