双極性障害(躁うつ病)は、気分が高揚する躁状態と、意欲が著しく低下するうつ状態を繰り返す疾患です。症状の波があるため「見た目には元気そうに見える」と周囲に誤解されることも多く、日常生活や就労に深刻な支障をきたしているにもかかわらず、障害年金の申請をためらってしまう方が少なくありません。しかし、双極性障害は障害年金の支給対象となる疾患であり、適切に申請すれば受給できる可能性があります。大阪を拠点に全国対応を行う障害年金専門社労士の東亮介が、認定基準から申請の注意点まで詳しくご説明します。
1. 双極性障害で受け取れる障害年金の等級と金額の目安
障害年金には障害基礎年金(1・2級)と障害厚生年金(1・2・3級)があり、初診日に加入していた年金制度によって受給できる種類が異なります。国民年金加入中に初診日がある場合は障害基礎年金、厚生年金加入中であれば障害厚生年金(基礎年金を含む)の対象となる場合があります。
2024年度時点における年金額の目安は以下のとおりです(物価スライドにより毎年改定されます)。
- 障害基礎年金1級:年額 約102万円
- 障害基礎年金2級:年額 約81万円
- 障害厚生年金3級:報酬比例部分のみ(最低保障 約61万円)
- 障害厚生年金1・2級は上記基礎年金額に報酬比例部分が加算されます
- 配偶者や18歳未満のお子さんがいる場合は加算額が上乗せされる場合があります
双極性障害の場合、日常生活の制限の程度によって2級相当と認定されるケースが比較的多い傾向にありますが、1級や3級と判断される場合もあります。実際の等級は診断書の内容や生活状況の記載によって左右されるため、専門家への相談をおすすめします。
2. 双極性障害における障害年金の認定基準のポイント
精神の障害に関する認定基準では、日本年金機構が定める「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が重要な役割を果たします。双極性障害を含む気分(感情)障害は、このガイドラインの対象疾患に含まれています。
等級の判断においては、主に以下の4つの能力が総合的に評価されます。
- 日常生活能力の程度:自分で食事・入浴・服薬管理などができるか
- 日常生活能力の判定:7項目を4段階で評価(適切な食事・身辺の清潔保持・金銭管理・通院と服薬・他者との意思伝達・身辺の安全保持・社会性)
- 就労状況:就労している場合でも、援助・配慮の内容次第では一定の等級に認定される場合があります
- GAF尺度(全体的機能評価):診断書に記載される数値で、低いほど重症とみなされます
双極性障害は症状に波があるため、「調子の良い時期だけ」を切り取られると実態より軽く評価されてしまうリスクがあります。躁状態・うつ状態・混合状態それぞれの頻度や持続期間、社会生活への影響を診断書や申立書にきちんと反映させることが不可欠です。
3. 診断書で重視される項目(双極性障害に特有の注意点)
障害年金の審査において、医師が記載する診断書は最も重要な書類です。双極性障害の場合、以下の項目が特に審査に影響する可能性があります。
- 現在の病状・状態像:躁・うつ・混合など現在どの状態にあるか、その程度
- 予後の見通し:再発リスクや症状の慢性化の有無
- 日常生活能力の判定欄:7項目それぞれのチェック内容が等級に直結します
- GAF尺度の数値:おおむね50以下であれば2級相当となる可能性があります
- 援助・配慮の状況:家族のサポートや訪問看護の利用状況
注意が必要なのは、診察室での様子だけで診断書が作成されてしまうケースです。双極性障害の方は通院時に比較的落ち着いて見える時期もあり、実際の家庭内での生活困難が診断書に反映されないことがあります。当事務所では、受診前に「生活状況の聞き取りシート」を作成し、主治医の先生に日常のリアルな状態を正確に伝えられるよう サポートしています。
4. 申請のハードルと陥りやすい誤解
双極性障害で障害年金を申請しようとする際、多くの方がいくつかのつまずきポイントに直面します。代表的な誤解と注意点を整理します。
- 「働いていたら受給できない」は誤解:就労していても、職場の特別な配慮や短時間勤務などにより日常生活能力が低い場合は、認定される可能性があります。ただし就労状況は審査に影響するため、実態を正確に記載することが大切です。
- 初診日の特定が難しい:双極性障害はうつ症状から始まることが多く、最初にかかったクリニックが廃院になっていたり、記録が残っていなかったりするケースがあります。初診日の証明方法は複数あるため、あきらめずに専門家へご相談ください。
- 保険料納付要件の確認が必要:初診日の前日時点で、一定期間の年金保険料を納付(または免除)していることが受給の前提条件です。未納が多い場合は申請できない場合があります。
- 「うつ病」と「双極性障害」の診断名の変遷:最初はうつ病と診断され、後に双極性障害と診断が変わった場合、初診日の扱いが複雑になることがあります。
- 「病歴・就労状況等申立書」の記載が不十分:発病から現在までの経緯を本人が記載するこの書類は、診断書を補完する重要書類です。感情的な記述にならず、客観的に生活上の困難を伝える必要があります。
これらのハードルは、専門知識と経験を持つ社労士がサポートすることで、よりスムーズに対処できる場合があります。
5. 当事務所の双極性障害対応の特徴
当事務所(東亮介 社会保険労務士事務所)は、大阪を拠点とした障害年金専門の社労士事務所です。精神疾患・発達障害・内部障害など幅広い疾患の申請をサポートしており、双極性障害の案件も多数経験しています。
- 精神疾患の申請に特化した専門知識:ガイドラインの読み方・診断書チェック・申立書作成まで一貫してサポートします。
- 主治医への情報提供サポート:日常生活の困難さを正確に診断書へ反映していただけるよう、受診前に整理した資料をご提案します。
- 完全成功報酬制:受給が決定した場合にのみ報酬が発生します。申請が不成功の場合は費用をいただきません(着手金なし)。経済的な不安を抱えながら申請される方も安心してご相談いただけます。
- 全国対応可能:大阪近郊はもちろん、オンライン・郵送でのやり取りにより全国どこからでもご依頼いただける体制を整えています。
- 丁寧なヒアリングと寄り添う姿勢:症状が不安定な時期には連絡が難しいこともあります。メール・LINEなどご都合のよい手段でのやり取りに対応しており、ペースに合わせて進めることが可能です。
6. よくある質問(Q&A)
Q1. 双極性障害と診断されたばかりですが、すぐに申請できますか?
障害年金を申請するには、初診日から原則1年6か月が経過した「障害認定日」以降である必要があります(例外あり)。診断から間もない場合は、まず認定日を確認し、その時点の状態で申請が可能かどうかを検討することになります。認定日時点の診断書が取得できれば、過去にさかのぼって請求(遡及請求)できる場合もあります。
Q2. 現在うつ状態が強く、外出もままならない状態です。申請手続きは自分でできますか?
書類収集・作成・提出など、申請手続きは複数のステップがあり、症状が重い時期に一人で進めるのは非常に困難です。当事務所ではご本人に代わって書類の収集・作成・年金事務所との交渉まで対応しますので、ご自身の体調を最優先にしていただきながら申請を進めることが可能です。
Q3. 躁状態の時期は活動的に動けます。そのせいで等級が低くなりませんか?
双極性障害の審査では、躁状態・うつ状態・混合状態を含む全体の病状が評価の対象となります。躁状態のときだけを切り取って「軽症」と判断されないよう、症状の波の激しさ・頻度・社会生活への影響を診断書や申立書に正確に記載することが重要です。当事務所ではこの点を特に重視してサポートします。
Q4. 過去にうつ病で通院していた時期があります。初診日はどこになりますか?
うつ病と双極性障害は関連する疾患であるため、うつ病で初めて受診した日が双極性障害の初診日とみなされる可能性があります。初診日の判断は加入していた年金制度の種別や受給額にも影響するため、慎重に確認する必要があります。記録が不明な場合も対応方法がある場合がありますので、まずご相談ください。
Q5. 障害年金を受給すると、会社や家族にわかってしまいますか?
障害年金の受給は原則として本人のプライバシーに関わる情報であり、年金機構から勤務先に通知されることはありません。ただし、振込先の口座や確定申告の際に家族に知られる可能性がゼロとはいえません。ご不安な点はご相談の際にお聞かせください。
7. まとめ——一人で抱え込まず、まずはご相談を
双極性障害は、躁とうつの波を繰り返しながら長期にわたって日常生活・社会生活に支障をきたすことが多い疾患です。「症状に波があるから受給できないかもしれない」「働いたことがあるからダメだろう」という思い込みで申請をあきらめてしまうケースが非常に多いのですが、適切な準備と書類作成によって受給できる可能性がある方は少なくありません。
大切なのは、ご自身の日常生活の困難さを正しく・具体的に申請書類に反映させることです。そのためには、認定基準を熟知した専門家のサポートが大きな助けになります。当事務所は完全成功報酬・全国対応で、大阪をはじめ全国の双極性障害をお持ちの方からのご相談を承っています。
体調が優れない中で読んでくださったあなたへ——一人で抱え込まず、どうぞ当事務所へお気軽にご連絡ください。メール・LINEでのご相談も受け付けておりますので、ご自身のペースでご連絡いただければと思います。
※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。診断・受給可能性は個別事情により異なります。
執筆:東亮介(社会保険労務士/社労士登録番号 第27130052号)