心疾患は、狭心症・心筋梗塞・心筋症・不整脈・弁膜症・先天性心疾患など多岐にわたります。病状が進行すると、階段を上るだけで息切れがひどくなったり、外出すら困難になったりと、生活の質が大きく低下することがあります。そうした状況にあるとき、障害年金という制度が生活を支える大きな助けになる可能性があります。当事務所では、心疾患による障害年金の申請を数多くサポートしてきました。このページでは、等級の目安から認定基準・申請の注意点まで、できる限りわかりやすくお伝えします。
1. 心疾患で受け取れる障害年金の等級と金額の目安
障害年金には障害基礎年金(国民年金)と障害厚生年金(厚生年金)の2種類があり、初診日に加入していた年金制度によって受け取れる年金の種類が異なります。等級は1級・2級・3級(障害厚生年金のみ3級あり)に分かれており、重症度に応じて認定されます。
- 障害基礎年金1級:年間約102万円(2024年度額)+子の加算
- 障害基礎年金2級:年間約81万円(2024年度額)+子の加算
- 障害厚生年金1級:報酬比例部分×1.25+障害基礎年金1級
- 障害厚生年金2級:報酬比例部分+障害基礎年金2級
- 障害厚生年金3級:報酬比例部分(最低保障額あり・年間約61万円)
なお、ペースメーカーや植込み型除細動器(ICD)、両心室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)を装着した場合、原則として障害等級3級以上に認定される取り扱いとなっています。ただし、個別の状態によって最終的な等級は異なる場合がありますので、詳細は専門家にご相談ください。
2. 心疾患の障害年金における認定基準のポイント
心疾患の障害年金は、日本年金機構の「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に基づいて審査されます。心臓疾患の認定では、主に心機能の低下の程度と日常生活・労働への支障度が総合的に評価されます。
具体的には、以下のような指標が重視されます。
- NYHA心機能分類(Ⅰ〜Ⅳ度):Ⅲ度以上が2〜1級相当とされることが多い
- 左室駆出率(EF値):40%未満など心機能低下の客観的指標
- BNP・NT-proBNP値:心不全の重症度を示す血液検査値
- 胸部X線・心エコー所見:心拡大・肺うっ血の有無
- 運動耐容能(6分間歩行試験・最高酸素摂取量)
- ペースメーカー・ICD・CRT・CRT-Dの装着の有無
特にCRT(心臓再同期療法)やCRT-Dを装着している場合は、装着後の心機能が改善していても、障害認定の対象となる可能性があります。装着しているだけで申請を諦めてしまう方も見受けられますが、それは大きな誤解です。
3. 診断書で重視される項目(心疾患特有)
障害年金の申請において、「心疾患の障害用」診断書(様式第120号の6(1))が必要になります。この診断書には、心臓疾患に特化した記載欄が設けられており、医師に正確かつ詳細に記載してもらうことが、適切な等級を得るうえで非常に重要です。
特に注意したい記載項目は以下のとおりです。
- NYHA分類の記載:実態よりも軽く記載されてしまうケースがあるため、日常の症状を医師に丁寧に伝えることが大切です
- 検査値の記載漏れ:EF値・BNP値・心電図所見など、数値が空欄になっていると審査で不利になる場合があります
- ペースメーカー等の装着年月日・種類:装着日が初診日や障害認定日と関係するため、正確な記載が必要です
- 日常生活能力の程度:「食事」「入浴」「外出」など日常動作への影響を具体的に記載してもらいましょう
- 就労状況・制限の有無:働いている場合でも、業務内容の制限や配慮の実態を正確に反映させることが重要です
当事務所では、診断書の記載依頼時に医師への情報提供文書を作成するサポートを行っており、重要な項目が漏れなく記載されるよう努めています。
4. 申請のハードルや陥りやすい誤解
心疾患の障害年金申請には、いくつかのよくある落とし穴があります。事前に知っておくことで、申請のミスを防ぐことができる可能性があります。
誤解①「ペースメーカーを入れれば自動的に年金がもらえる」
ペースメーカーや ICDを装着した場合、原則として3級以上に認定される規定はありますが、自動的に支給が決まるわけではありません。初診日要件・保険料納付要件などをすべて満たす必要があります。また、申請手続きを行わなければ受給は始まりませんので注意が必要です。
誤解②「働いているから申請できない」
就労中であっても障害年金を受給できる場合があります。心疾患では、仕事内容が制限されていたり、職場の特別な配慮を受けていたりする実態を適切に書類に反映させることが重要です。就労の事実だけで申請を諦めてしまうケースが非常に多く、大変もったいない状況です。
誤解③「初診日がわからないので申請できない」
心臓疾患は、症状が出始めてから正式な診断を受けるまでの期間が長いことがあります。初診日が特定できない場合でも、受診状況等証明書の取得や第三者証明など、さまざまな手段で初診日を確認できる場合があります。
誤解④「一度断られたら終わり」
不支給や非該当の通知を受けても、審査請求・再審査請求という不服申立て制度があります。また、状態が悪化した場合は額改定請求によって上位等級に変更できる場合もあります。諦めずにご相談ください。
5. 当事務所の心疾患対応の特徴
当事務所は大阪を拠点とする障害年金専門の社会保険労務士事務所です。東亮介が直接対応し、心疾患をはじめとするさまざまな疾患の障害年金申請を一貫してサポートしています。全国対応しておりますので、大阪府外の方もお気軽にご相談ください。
- 完全成功報酬制:受給が決定した場合にのみ報酬が発生するため、初期費用の心配なくご相談いただけます
- 医師への診断書依頼サポート:記載内容が実態を正確に反映するよう、情報提供文書の作成を支援します
- 書類収集から申請まで一括対応:初診日の確認、受診状況等証明書・診断書・病歴就労状況等申立書の作成まで、煩雑な手続きをまとめてお任せいただけます
- ペースメーカー・ICD・CRT・CRT-D装着ケースの実績:装着後の状態や経過に応じた申請戦略を個別に検討します
- オンライン面談・郵送対応:通院や体調の都合で来所が難しい方にも柔軟に対応します
病気と向き合いながら生活されている方の負担を少しでも減らせるよう、当事務所は丁寧なサポートを心がけています。
6. よくある質問(Q&A)
Q1. 心筋梗塞で入院しましたが、退院後は日常生活を送れています。それでも障害年金を申請できますか?
A. 退院後に一定程度の日常生活が送れていても、心機能の低下(EF値の低下・BNP値の上昇など)が継続していたり、労作時の息切れ・動悸・浮腫などの症状があったりする場合は、申請の対象となる可能性があります。自己判断で諦めず、一度ご相談ください。
Q2. ペースメーカーを装着しましたが、主治医から「年金はもらえない」と言われました。本当ですか?
A. 医師は医療の専門家ですが、障害年金の認定基準に精通しているとは限りません。ペースメーカーを装着した場合、原則として障害等級3級以上に該当するとされており、保険料納付要件などを満たしていれば受給できる可能性があります。年金制度の判断は社会保険労務士にご相談されることをお勧めします。
Q3. 障害年金を受け取ると、今後の治療や保険に影響しますか?
A. 障害年金の受給は、健康保険の利用や医療費の支払いに直接影響するものではありません。ただし、所得に関連する各種制度(医療費助成・住民税など)への影響は個別に異なる場合がありますので、気になる点は事前にご確認ください。
Q4. 先天性心疾患で手術を受けています。障害年金は申請できますか?
A. 先天性心疾患も障害年金の対象疾患です。先天性の場合、初診日の取り扱いが特殊になることがあるため(20歳前障害の可能性など)、早めに専門家に確認されることをお勧めします。20歳前障害であれば、保険料の納付要件なく申請できる場合があります。
Q5. 相談から申請まで、どのくらいの期間がかかりますか?
A. ケースによって異なりますが、初回相談から申請書類の提出までおおむね2〜3ヶ月程度かかることが多いです。初診病院が廃院していたり、カルテが残っていなかったりする場合はさらに時間を要することがあります。申請後、年金機構の審査には通常3〜4ヶ月程度かかる場合があります。
7. まとめ
心疾患による障害年金は、ペースメーカー・ICD・CRT・CRT-Dの装着の有無、心機能の程度、日常生活への支障度などを総合的に評価して等級が決まります。認定基準は複雑であり、診断書の記載内容や申請書類の完成度によって結果が大きく左右される可能性があります。
「自分には無理かもしれない」と感じている方も、ぜひ一度当事務所にご相談ください。大阪を拠点に、全国対応・完全成功報酬で障害年金専門社労士の東亮介が丁寧にサポートいたします。病気と闘いながら日々を過ごされているみなさんの不安を少しでも和らげ、受け取れる権利のある年金をしっかり確保できるよう、全力でお手伝いします。まずはお気軽にお問い合わせください。
※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。診断・受給可能性は個別事情により異なります。
執筆:東亮介(社会保険労務士/社労士登録番号 第27130052号)