聴覚障害・難聴は、外見からは分かりにくいため「障害年金の対象になるとは思っていなかった」とおっしゃる方が非常に多い疾患です。しかし難聴による障害年金の請求は確かに認められており、正しく手続きを行うことで受給できる可能性があります。このページでは、大阪を拠点に全国の障害年金案件を扱う社労士・東亮介が、聴覚障害の障害年金に関する等級・認定基準・申請のポイントを詳しくご説明します。
1. 聴覚障害・難聴で受け取れる障害年金の等級と金額の目安
障害年金には障害基礎年金(1級・2級)と障害厚生年金(1級・2級・3級)があります。加入していた年金の種類(国民年金か厚生年金か)によって、受給できる年金の種類が異なります。
聴覚障害で認定される主な等級の目安は以下のとおりです。
- 2級(障害基礎年金・障害厚生年金):両耳の聴力レベルが100dB以上(聾に近い状態)の場合など
- 3級(障害厚生年金のみ):両耳の聴力レベルが70dB以上、または一側耳が全聾でもう一方が60dB以上の場合など
- 障害手当金(一時金・厚生年金加入者のみ):両耳の聴力レベルが50dB以上70dB未満、または一側耳が全聾でもう一方が50dB以上の場合など
令和6年度の年金額の目安は、障害基礎年金2級が約816,000円/年、1級がその1.25倍の約1,020,000円/年です(子の加算が付く場合もあります)。障害厚生年金が加算される場合は、これに報酬比例部分が上乗せされます。なお、金額は物価スライドにより毎年変動します。個別の見込み額については、ぜひ当事務所へご相談ください。
2. 聴覚障害・難聴の認定基準のポイント
日本年金機構の認定基準では、聴覚障害の程度は主に純音聴力検査(オージオグラム)の結果をもとに判断されます。具体的には、500Hz・1000Hz・2000Hz・4000Hzの4周波数の聴力レベル(dB)を一定の式で計算した平均値が基準となります。
重要なポイントは以下のとおりです。
- 聴力検査は複数回・複数の方法(純音検査・語音検査など)で実施されることが望ましい
- 補聴器使用前の裸耳での聴力で評価されることが基本
- 聴力だけでなく、語音明瞭度(言葉の聞き取りやすさ)も考慮される場合がある
- 内耳性難聴・感音性難聴・伝音性難聴など、原因疾患にかかわらず聴力の数値が基準となる
- 突発性難聴・メニエール病・加齢性難聴・先天性難聴など、疾患の種類を問わず請求できる可能性がある
また、聴覚障害は「固定した状態」であることが求められます。治療によって改善が見込まれる時期は認定が難しい場合があるため、症状が安定したタイミングでの申請が重要です。
3. 診断書で重視される項目(聴覚障害に特有の注意点)
障害年金の請求で最も重要な書類の一つが診断書(聴覚・鼻腔機能・平衡機能・そしゃく・嚥下機能・言語機能の障害用)です。耳鼻咽喉科の専門医に作成していただく必要があります。
診断書審査で特に重視される項目は以下のとおりです。
- 純音聴力レベル(dB)の記載:左右それぞれの各周波数ごとの数値が正確に記載されているか
- 語音明瞭度(%)の記載:言葉の聞き取り率が数値で記されているか
- 検査方法と実施日:信頼性の高い検査が適切な時期に行われているか
- 補聴器の使用状況:装用の有無・効果の程度が明記されているか
- 日常生活への支障:コミュニケーションの困難さ・労働能力への影響が具体的に記されているか
特に注意が必要なのは、聴力検査の結果にバラつきがある場合です。検査日によって数値が大きく変わると、審査機関から「信頼性が低い」と判断されるリスクがあります。また、診断書に日常生活の困難さが十分に表現されていないと、聴力の数値は基準を満たしていても認定に至らない場合があります。当事務所では、医師への診断書記載依頼のサポートも行っております。
4. 申請のハードルや陥りやすい誤解
「難聴 障害年金」で調べると情報が多く、どこから手をつければよいか分からなくなる方も少なくありません。当事務所がよくお聞きする誤解や落とし穴をご紹介します。
- 「補聴器で聞こえるから受給できない」は誤り:補聴器を装用しても日常生活に著しい支障がある場合、受給できる可能性があります
- 「障害者手帳がないと申請できない」は誤り:障害年金と障害者手帳は別制度です。手帳がなくても障害年金の請求は可能です
- 初診日の特定が難しい:幼少期から難聴がある方や、長年耳鼻科にかかっていた方は、最初に受診した病院のカルテが残っていない場合があります。初診日の証明は受給の可否を左右する重要事項です
- 保険料納付要件を満たしているか確認が必要:初診日の前日時点で、一定の保険料を納付・免除していることが必要です。この要件を満たさないと、どんなに症状が重くても請求できません
- 「年金事務所で断られた」は最終判断ではない:年金事務所の窓口担当者の案内が必ずしも正確とは限りません。専門家への相談をお勧めします
- 20歳前障害の特例:先天性難聴など20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件がなくても障害基礎年金を請求できる場合があります
こうしたハードルを一人で乗り越えようとすると、書類の不備や誤りで不支給になってしまうリスクが生じます。早めに専門家に相談することで、スムーズな手続きにつながる可能性があります。
5. 当事務所の聴覚障害・難聴対応の特徴
当事務所(代表:東亮介)は、大阪を拠点に全国の聴覚障害・難聴による障害年金案件をサポートしております。メールやオンライン相談を活用しているため、遠方の方でも安心してご利用いただける場合があります。
当事務所の特徴は以下のとおりです。
- 完全成功報酬制:受給が決定した場合のみ報酬が発生します。初回相談・着手金は無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください
- 聴覚障害に精通した書類作成サポート:純音聴力検査の読み方・診断書チェックなど、聴覚障害特有の審査ポイントを熟知しています
- 医師との連携サポート:診断書の記載内容について医師への情報提供資料を作成し、審査に必要な情報が正確に反映されるようご支援します
- 初診日調査の対応:長年の病歴で初診日が不明確な場合も、カルテ開示請求や参考資料の収集をお手伝いします
- 不服申立(審査請求・再審査請求)への対応:万一不支給となった場合も、不服申立の手続きをサポートできる場合があります
「自分の場合は受給できるのだろうか」という段階からでも構いません。どうぞお気軽にご相談ください。
6. よくある質問(Q&A)
- Q1. 片耳だけの難聴でも障害年金を受給できますか?
一側性難聴(片耳だけの聴力障害)は、もう一方の耳の聴力が良好な場合、単独での受給は難しいことが多いです。ただし、一側耳が全聾(90dB以上)で、もう一方が60dB以上であれば障害厚生年金3級の対象となる可能性があります。また、平衡機能障害や他の障害が合併している場合は、併合認定で上位等級になる場合もあります。個別の状況によって異なりますので、詳細はご相談ください。
- Q2. 突発性難聴でも障害年金を請求できますか?
はい、請求できる可能性があります。突発性難聴は発症から数か月で症状が固定することが多く、症状固定後に聴力レベルが認定基準を満たしていれば、障害年金の対象となる場合があります。ただし、発症から1年6か月を経過した日(障害認定日)以降が原則的な請求時期となりますが、例外規定が適用される場合もあります。
- Q3. 加齢性難聴(老人性難聴)は対象になりますか?
加齢性難聴であっても、聴力が認定基準の数値を満たしている場合は障害年金の対象となる可能性があります。ただし、初診日に国民年金または厚生年金に加入していること(または20歳前障害の特例に該当すること)と、保険料納付要件を満たすことが必要です。受給資格についてはまず当事務所にご確認ください。
- Q4. 障害年金を受給しながら働くことはできますか?
原則として、障害年金を受給しながら就労することは可能です。ただし、障害厚生年金1・2級の方が厚生年金に加入して働く場合は、在職老齢年金の仕組みにより支給調整される場合があります。また、就労状況が改善した場合、次回の更新(障害状態確認届)で等級が変わる可能性もあります。
- Q5. 相談から受給決定までどのくらいの期間がかかりますか?
書類の準備状況や病院の診断書作成期間によって異なりますが、一般的に請求書類の提出から決定通知が届くまで3〜6か月程度かかることが多いです。書類収集から提出まで当事務所でサポートしますので、できるだけスムーズに進められるよう努めております。まずはお気軽にご相談ください。
7. まとめ
聴覚障害・難聴による障害年金は、聴力の数値が一定の基準を満たしていれば受給できる可能性がある制度です。しかし、初診日の特定・保険料納付要件の確認・診断書の適切な記載など、専門的な知識が必要な手続きが多く含まれています。「自分には難しそう」と感じたときこそ、障害年金専門の社労士に相談することをお勧めします。
当事務所は大阪に拠点を置きながら、全国対応・完全成功報酬で障害年金のサポートを行っております。聴こえの不自由さで日々のコミュニケーションに困難を感じていらっしゃる方、ご家族の方、どうかひとりで抱え込まずにご連絡ください。お気持ちに寄り添いながら、丁寧にご説明いたします。
※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。診断・受給可能性は個別事情により異なります。
執筆:東亮介(社会保険労務士/社労士登録番号 第27130052号)