COLUMN · 2026.05.13

障害年金の子の加算・配偶者加給年金まるわかり

障害年金の受給額を考えるとき、本体の年金額だけに目が向きがちですが、家族構成によっては「子の加算」「配偶者加給年金」が上乗せされる場合があります。当事務所に寄せられるご相談でも、これらの加算制度を知らないまま申請していたというケースは少なくありません。本コラムでは、各加算の仕組み・金額・要件・注意点を整理してお伝えします。

1. 子の加算・配偶者加給年金とはどのような制度か

障害年金は、受給者本人の所得保障を目的とした制度ですが、扶養している家族がいる場合には一定額が加算される仕組みが設けられています。これが「子の加算」と「配偶者加給年金」です。

ただし、これらの加算はすべての障害年金に付くわけではありません。障害基礎年金と障害厚生年金(障害共済年金を含む)では、加算の種類や要件が異なります。この違いを正確に理解することが、受給漏れを防ぐうえで重要です。

2. 障害基礎年金における子の加算

障害基礎年金(1級・2級)を受給している方には、生計を維持している子がいる場合に「子の加算」が支給されます。

加算の対象となる「子」の範囲は以下のとおりです。

  • 18歳到達後の最初の3月31日までの間にある子(高校卒業年度末まで)
  • 20歳未満で障害等級1級または2級に該当する子

2024年度(令和6年度)の加算額は、第1子・第2子がそれぞれ年額234,800円、第3子以降は各78,300円となっています(物価スライドにより毎年度改定されます)。

注意が必要なのは、子の加算は受給権発生時に子がいない場合でも、その後に子が生まれた・婚姻した配偶者の連れ子と養子縁組したなどの事情で後から加算が発生する可能性があるという点です。事情が変わった際は速やかに日本年金機構または年金事務所へ届け出ることが求められます。

3. 障害厚生年金における配偶者加給年金

障害厚生年金(1級・2級)を受給している方には、生計を維持している配偶者がいる場合に「配偶者加給年金額」が加算されます。障害基礎年金には配偶者加給はなく、障害厚生年金に固有の制度です。

2024年度の配偶者加給年金額は年額234,800円です。

加算が認められるためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 配偶者が65歳未満であること(65歳以降は原則として加算が停止されます)
  • 受給権者によって生計を維持されていること(概ね前年収入が850万円未満、または所得が655万5千円未満)
  • 法律上の婚姻関係にある配偶者であること(内縁関係は対象外)

配偶者が65歳に達すると自身の老齢年金(または障害年金)を受給できるようになるため、加給年金は停止される仕組みです。ただし、配偶者が老齢基礎年金の振替加算の対象となる場合は、65歳以降も一定額が配偶者の年金に上乗せされる制度があります(生年月日により金額が異なります)。

4. 障害厚生年金3級・障害基礎年金のみの場合の取り扱い

障害厚生年金3級は配偶者加給年金の対象外です。また、国民年金加入中に初診日がある方(障害基礎年金のみ受給)も同様に配偶者加給はありません。

一方、障害基礎年金と障害厚生年金を併給している場合(1・2級)は、障害厚生年金側に配偶者加給、障害基礎年金側に子の加算が、それぞれ該当要件を満たせば両方付く可能性があります。

こうした併給の構造は複雑なため、自分の受給状況にどの加算が適用されるか分からないという方も多くいらっしゃいます。受給中の方は年金証書や支払通知書を確認し、加算が正しく反映されているかを一度チェックされることをお勧めします。

5. 加算を受けるための手続きと届け出の注意点

子の加算・配偶者加給年金は、受給権者自身が届け出なければ自動的に支給されないケースがあります。特に、年金受給開始後に結婚した・子が生まれた・養子を迎えたなどの変化があった場合は、速やかに「加算額・加給年金額対象者加算開始・失権届」などの書類を提出する必要があります。

届け出が遅れた場合、遡及して支給されるのは時効(5年)の範囲内に限られる場合があります。長期間届け出が漏れていると、本来受け取れたはずの加算額を受け取れなくなる可能性があるため、早めの対応が望まれます。

主な届け出の場面としては以下が挙げられます。

  • 受給開始後に婚姻し、配偶者を生計維持するようになった場合
  • 受給開始後に子が生まれた・養子縁組した場合
  • 加算対象の子が18歳年度末を超えた・死亡した・婚姻した場合(失権届)
  • 配偶者が65歳に達した場合(加給年金停止)
  • 配偶者の収入が基準を超えた場合

6. まとめ:加算制度は「知っているかどうか」で大きく変わる

子の加算・配偶者加給年金は、要件を満たす場合には本体の障害年金に上乗せして受け取ることができる重要な制度です。しかし、申請・届け出を行わなければ自動的に支給されないケースも多く、制度を知っているかどうかが受給額に直結します

当事務所では、障害年金の申請サポートにあたり、本体の請求手続きと合わせて加算の要件確認・届け出漏れのチェックも行っております。すでに障害年金を受給中の方も含め、ご自身の受給状況に疑問がある場合は、専門家への相談をご検討ください。

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※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。個別の申請可否・受給可能性は個別事情により異なります。

執筆:東亮介(社会保険労務士/社労士登録番号 第27130052号)

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