COLUMN · 2026.05.13

障害年金は確定申告が必要? 課税・非課税の判断を解説

障害年金を受給されている方から、「確定申告はしなければならないのか」「税金はかかるのか」というご質問を当事務所でもよくいただきます。結論から申し上げると、障害年金そのものは非課税ですが、他の収入の状況によっては確定申告が必要になる場合があります。本コラムでは、障害年金と税金の関係について整理して解説します。

1. 障害年金は非課税所得に分類される

障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)は、所得税法第9条第1項第3号の規定により、所得税が課されない「非課税所得」に該当します。これは障害年金に限らず、遺族年金や労働者災害補償保険法に基づく給付なども同様に非課税とされています。

したがって、障害年金のみを受給している方については、原則としてその年金額に対して所得税が発生することはなく、確定申告の義務も生じません。住民税についても同様に非課税扱いとなるため、障害年金の金額が課税標準に算入されることはありません。

この点は、老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)とは明確に異なります。老齢年金は「雑所得」として所得税の課税対象となるため、混同しないよう注意が必要です。

2. 確定申告が必要になるケースとは

障害年金自体は非課税ですが、受給者の状況によっては確定申告が必要になることがあります。主なケースは以下のとおりです。

  • 給与収入がある場合:障害年金を受給しながら就労しており、給与所得がある方は、給与の源泉徴収の状況によって確定申告が必要になることがあります。
  • 事業所得・不動産所得がある場合:自営業や不動産賃貸収入がある場合は、それらの所得について確定申告が必要になる可能性があります。
  • 老齢年金も受給している場合:老齢年金は課税対象のため、公的年金等の収入合計額が年間400万円を超える場合や、他の所得が年間20万円を超える場合には確定申告が必要です。
  • 医療費控除などの還付申告をしたい場合:確定申告の義務がない方であっても、医療費控除や社会保険料控除などの適用を受けて税金の還付を受けるために任意で申告することがあります。

ご自身の状況が上記に該当するかどうか判断が難しい場合は、税務署や税理士にご相談されることをお勧めします。

3. 障害年金と他の年金を同時に受給している場合の注意点

年齢や加入歴によっては、障害年金と老齢年金の両方を受給する状況が生じることがあります。ただし、原則として同一支給事由に基づく年金は併給できず、どちらか一方を選択することになります。

一方で、65歳以降は一定の条件のもとで「障害基礎年金+老齢厚生年金」の組み合わせが認められることがあります。この場合、老齢厚生年金は課税対象となりますので、受給額や他の収入状況によっては確定申告が必要になる可能性があります。

また、障害年金の受給中に遺族年金を受け取るケースもあります。遺族年金も非課税所得ですが、年金の選択関係が生じることがありますので、日本年金機構への届出状況を確認しておくことが大切です。

4. 障害年金は収入・所得の計算に影響するか

障害年金が非課税である点は税務上の話ですが、社会保険や各種制度上の「所得」の計算においては取り扱いが異なる場合があります。

たとえば、国民健康保険料の算定に用いる「所得」については、多くの自治体で障害年金は算定に含まれません。しかし、制度や自治体によって異なる場合もありますので、個別に確認することが必要です。

また、生活保護の申請や各種福祉サービスの利用に際しては、障害年金の受給額が収入として扱われることがあります。所得税上は非課税であっても、別の制度では「収入」として認識されるという点に留意してください。

さらに、扶養の認定においても注意が必要です。健康保険(社会保険)の被扶養者の認定基準となる「年収130万円」の判定には、障害年金が含まれることがあります。加入している健康保険組合や協会けんぽによって取り扱いが異なることがありますので、勤務先や保険者への確認をお勧めします。

5. 障害年金の受給と確定申告に関するよくある誤解

当事務所でご相談を受けていると、次のような誤解をお持ちの方が少なくありません。

  • 「障害年金をもらったら確定申告が必要」と思っている:障害年金のみの受給であれば、申告義務は原則として発生しません。
  • 「確定申告をすると障害年金が減額される」と思っている:確定申告と障害年金の支給額は直接連動しません。ただし、所得に応じて支給調整が行われる他の給付(一部の手当など)については影響が出ることがあります。
  • 「非課税だから何も手続きしなくていい」と思っている:給与収入がある場合や医療費控除の適用を希望する場合など、申告が必要または有利になる場面はあります。

障害年金と税金・確定申告の関係は、受給者の状況によって判断が変わります。「自分の場合はどうなるのか」を個別に整理することが重要です。

6. 専門家への相談をお勧めする理由

税務に関する判断は、最終的には税務署や税理士にご確認いただくことが適切です。当事務所は社会保険労務士事務所であり、障害年金の請求手続きや審査請求のサポートを専門としています。税務申告の代理業務は税理士の業務領域となりますので、確定申告の要否や申告手続きそのものについては、税務の専門家にご相談ください。

一方で、障害年金の受給資格、申請手続き、審査に通るための診断書の準備、不支給決定への不服申立てといった手続きについては、当事務所がサポートできる領域です。「障害年金を申請したいが何から始めればよいかわからない」「審査で不支給になってしまった」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。

障害年金に関する制度は複雑であり、申請の段階でつまずいてしまうケースも少なくありません。正確な情報をもとに、適切な手続きを進めることが、受給への近道になると当事務所は考えています。

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※本記事は一般的な解説であり、個別の結果を保証するものではありません。個別の申請可否・受給可能性は個別事情により異なります。

執筆:東亮介(社会保険労務士/社労士登録番号 第27130052号)

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